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2006年6月 8日 (木)

六ヶ所村のこと。

原発が一年に出す放射能を、たった一日で出す施設−−。こんなものが日本にあると知ったら、あなたはどう思う?

本州最北端、青森県の下北半島の付け根にある六ヶ所村。ここに、国内の原子力発電所の使用済み核燃料を再処理する工場が存在する。

十一兆円(一説には二十兆円?)の巨費が投じられ、燃え残ったウランや生成されたプルトニウムを抽出するためにつくられたこの工場。本格稼動を目前にひかえ、現在実際に使用済み核燃料を使って「アクティブ試験」(試運転)が行われている矢先の五月二十二日、作業員がプルトニウムを摂取する被曝事故が発生した。本格稼動の前で、早くも被曝!

再処理工場は、使用済み核燃料を薬品で溶かして核物質を分離・抽出する化学工場だ。放射性ガスや廃液が、毎日大気と海に捨てられ、拡散する。

六ヶ所村が面する太平洋は、三陸沖をへて私たちの住む東京ともつながっている。低レベルではあっても、本格稼動すれば被曝するのは、私たち…。

三陸産の魚介類や海産物は、美味しいとわかっていても、もう食べられなくなるのかもしれない。

低線量の被曝が、人体に与える影響は「科学的には解明されていない」。だが、イギリスやフランスの再処理工場の周辺ではガンや白血病の発症率が高くなっているという。

例えば劣化ウラン兵器が使用されたイラクでは、子供たちが放射能によると見られる先天性障害やガンなどに苦しんでいる。医師による統計もある。

放射能の、とくに低線量の被曝は、「ここまでなら安全」という閾(しきい)値を決めることが出来ない。そこにはリスクがあるのだ。疑わしいからこそ、再処理は行わないべきではないのか?

放射能は五感ではわからないから、にわかにはその危険性を理解しがたい。

例えば、埼玉・所沢の「くぬぎ山」と呼ばれる雑木林にはかつて、産廃処分場の焼却炉が林立し、異臭が立ち込め、アカマツが立ち枯れた。現地見学には何度も行ったが、同行者の中には気分が悪くなったり鼻血を出したりする人もいた。

有毒物質に対して人は、身を守るために敏感に反応する。しかし放射能はそうはいかない。時間がたったある時、体調がくずれ、疾病があらわれるが、その時はすでに手遅れなのかもしれない。

昨年、六ヶ所村に行った。往復千六百キロの道のりをわが117クーペは故障一つせず走りきったものだが、六ヶ所村というところは、核開発に伴う国の交付金で作られた立派な道路が走り、不意に森が途切れたかと思うと眼前に広大な再処理工場が開ける、実にいびつな印象の土地だった。

しかし下北の自然はあくまで美しい。自然と生きる道を断ち切られ、制御できない科学技術と生きる以外ない、そのような選択を迫られた村民の姿は、実は私たち自身の姿でもあるだろう。

私たちの未来はここにあるのか? もういちど問い返してみる時だ。

再処理工場本格稼動、反対!

・映画『六ヶ所村ラプソディー』オフィシャルブログ
 http://ameblo.jp/rokkasho/
・"stop-rokkasho"(坂本龍一氏らによるムーブメント)
 http://stop-rokkasho.org/
・J-WAVE "RADIO SAKAMOTO"
 (坂本龍一氏と『六ヶ所村ラプソディー』監督・鎌仲ひとみ氏の対談のポッドキャスト)
 http://www.j-wave.co.jp/original/radiosakamoto/

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