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2016年5月 8日 (日)

国分寺・自転車転倒事故、実名報道は必要だったのか

痛ましい事故が起きた。6日午前、東京・国分寺市東戸倉2丁目の府中街道で、自転車とクルマが接触。自転車が転倒し、乗っていた母親が背負っていた乳児が頭を打って死亡したという。

■自転車事故でおんぶの赤ちゃん死亡 潜む危険を検証しました。(FNNニュース)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00323959.html

報道されている限りでは、渋滞している車列から横断した際、車にはねられたようだ。母親が横断歩道を渡る、あるいは横断する際に一旦停止してクルマの接近に注意する、というように適切に対処していれば防げた可能性が高い。

一方、クルマの運転手も自転車の飛び出しを予見して運転していれば、衝突を防げた可能性もゼロではなかったかも知れない。自転車はクルマに対して交通弱者なので、今回の場合、過失割合はクルマの側が大きくなるだろう。

今回の事件は事故当初から実名報道が行われ、ネット上では自転車を運転していた母親の過失を責める声も大きい。

しかし事故が起きたのには、もちろん事故当事者双方の過失があったにせよ、例えば交通安全教育の不備、乳幼児への自転車の乗せ方、あるいは渋滞が起きるような周辺地域の道路状況・交通事情、ひいてはクルマ本位の交通政策・・・などなど、さまざまな要因が考えられる。

事故の再発を防ぐには、原因究明のための多角的な検証が必要なはずだ。例えば自転車利用者の事故や交通違反を減らし、マナーアップを図るにはどういった交通安全教育が有効か、というような視点だ。

しかし今回の事故発生当初からの実名報道は、当事者個人の責任ばかりに社会の関心が向くことを助長していないか、と気になる。

ちなみに交通安全教育では「スケアード・ストレイト」(下の動画参照のこと)が有効とされる。スタントマンが様々なケースを想定して交通事故を実演するもので、大変なインパクトがある。学校教育にはすでに導入されているが、社会人に対しても機会をとらえて積極的に行うべきだろう。



地域での自転車の利活用に取り組む地方議員に取材したことがある。その議員は、大人向け交通安全教室への参加を促す上では、駅前駐輪場の定期利用枠を優先的に確保できるというようなインセンティブ(動機づけ)などが考えられる、と話していた。

事故当事者ばかりを責めても失われた命は戻ってこない。事故の再発を防ぐには、多角的な検証こそが必要だ。

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