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2016年10月

2016年10月16日 (日)

新潟県知事選、再稼働慎重候補が当選――社会に定着した「原発は危険」

今日16日、投開票が行われた新潟県知事選挙で、米山隆一候補が当確を決めた。

今回の選挙は、東電柏崎刈羽原子力発電所の再稼働が争点。米山氏は、東電原発事故の原因究明がなされない限り再稼働は認められないとする、泉田裕彦知事の路線を継承して出馬していた。

原発再稼働に積極的な自公が推薦する候補との接戦を制した意味は大きい。原発は危険なものであり、安全が担保されない限り動かすべきではない――という当たり前の認識が、鹿児島県知事選に続き再び、首長の選出という形で示された。

これは言い換えれば、原発の安全を保つことは極めて難しいという認識が、広く社会に定着してきたということでもある。

3・11と東電原発事故から5年半。これまで脱原発デモや自然エネルギー普及、電力自由化などを取材してきた自分にとって今回の結果は、世の中がついにこの段階に到達したのか、と感慨深い。

しかも、今回の新潟県知事選挙に関して、自分は取材はおろか、例えば選挙応援、あるいは自分から進んで話題にするといったような関与は一切していない。SNSでシェアされる情報を注視していた程度だ。

つまり、なかば(というかほぼ)傍観者に徹していたのだが、接戦とは言え、原発の危険性に謙虚な候補者が有権者の支持を集めて当選した。世の中が勝手にそういう方向に進んでいるとも言える。

ところで4日前、埼玉・新座の東電変電所で火災があった。35年前の電気ケーブルが燃えたとかで、もくもくと黒煙が立ち上る映像が報道されていたが、あれは東電、なかんずく国策のもとで進んだ大手電力による独占体制の本格的な瓦解を告げる狼煙ではなかったかと、今にして思うのである。

2016年10月 3日 (月)

『君の名は。』は夢なき21世紀の『耳をすませば』なのかも知れない

大人気の長編アニメ映画『君の名は。』を立川で観る。連日満員のこの作品。今日は運動会の振替休日なのか、小学生がやたらめったら多い。

わたしの感想だが、「絵はきれいだけど、ストーリーが現実離れしすぎていて入り込めないな~」という感じ。並行世界の筋立ては面白いけれども、突飛すぎて理解を超えてしまう。それでも2時間を飽きさせず見せる話運びの巧みさ。

いったい何がこの映画の魅力なんだろう? よくわからない。あんまり青春映画を見ないから、比較の対象が乏しいせいもある。しかし、現実の風景を舞台に若者のカップルが登場する長編アニメには先例がある。

今から20年ほど前の公開で、聖蹟桜ヶ丘が舞台の『耳をすませば』は、中学生の男女が未来を信じて夢を求める作品だったが、都心と飛騨を往復する『君の名は。』に出てくる若者は、現実に対して非常に冷めている。その現実の閉塞感をこじ開けるのには、強力な装置(並行世界など)が必要だった。

この作品には『耳をすませば』のような、閉塞感が取り払われるカタルシス、閉塞感を乗り越える意志の強さはない。現実の変わらなさを前に生きる登場人物の立ち位置は、『耳をすませば』との大きな違いだろう。これは、ち密な風景作画とともに、現実離れしたストーリーに現実味を与える力となっている。

登場人物はパサパサした日常と現実の中を、流されて生きるように見えた。夢に向かって目的意識的に生きようとする『耳をすませば』の主人公とは、この点で決定的に異なる。流されて生きる中でも、充実を感じる瞬間はあるのだろうか。あるとすれば――。

そんな投げかけが、ひょっとしたら作品の中に込められているかもしれない。と、このブログ記事を書きながら思った。

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