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2017年5月17日 (水)

共謀罪法案を考えるために読むべき記事3本

共謀罪とは、2人以上で犯罪を計画すること。政府与党は今の国会で、共謀罪の取締りが目的の「共謀罪法案」=組織犯罪処罰法改正案の成立をめざしている。

法案は「テロ等準備罪法案」とも呼ばれる。しかし対象はあくまで組織犯罪なので、例えばトラックで群衆に突っ込むような個人テロはそもそも防げない。

それだけでもお粗末なシロモノだが、問題はそこのみにとどまらない。

■「花見にスマホ持参で逮捕」低レベルすぎる国会審議で共謀罪を採決か―答弁できない法相、日本語歪める首相(志葉玲)
https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20170517-00071037/


国会質疑での金田勝年法相の答弁が傑作だ。いわく、お花見会場に地図や双眼鏡、メモ帳などを持参するのは犯罪の下見をするのと外形上は同じだ、とのたまった。つまりスマホには地図やカメラ、メモなどのアプリがあるから、お花見にスマホを持参すると共謀罪となってしまう。

答弁の体をなしておらず、まるでマンガだ。しかし与党は数に頼んで、この法案を通そうとしている。

■もし「共謀罪」が成立したら、私たちはどうなるか【全国民必読】(現代ビジネス)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51376


共謀罪法案が成立しても、一般市民には直ちに影響は出ない、との見方もある。しかし脱原発や住民運動、反基地運動などは法案のターゲットとなり、表現活動も萎縮しかねない。記事は、犯罪認知件数が近年減少する中、警察の仕事づくりが法案の目的ではないか、と見立てる。

また、共謀罪法案は国家権力にはとことん甘い。特別公務員職権濫用・暴行陵虐罪、公職選挙法・政治資金規正法違反の罪などは対象外だ。さらに民間の贈収賄(わいろ)罪も対象外という。

経済界が政治家をカネで抱き込み、企業に都合のいいように国のしくみを変えさせる。市民運動や住民運動、労働運動は共謀罪で押さえ込む。これから格差拡大や環境破壊もさらに進んでいく・・・。2つの記事を読んで思ったのはそんなことだ。

それにしてもなぜ今、共謀罪法案なのか。それを読み解いたのがこの記事だ。

■【憲法特集】「属国」直視から 内田樹さん(カナロコ)
http://news.line.me/issue/oa-kanagawa/a3cc424fe76c


「日本の指導層の抱え込んでいる「主権国家でないことの抑圧された屈辱感」は日本国民に「主権者でないことの屈辱感」を与えるというかたちで病的に解消されることになった。それが特定秘密保護法、集団的自衛権行使の閣議決定、安保法制、共謀罪と続く、一連の「人権剥奪」政策を駆動している心理である」(引用ここまで)


日本はアメリカの属国だが、政治家や官僚はこの事実に向き合おうとせず、「主権国家でないことの屈辱感」を国民に転嫁しているというのである。

政治家や官僚は逃げずに仕事しろよ、としか思えないのだが、そういう「日本の指導層」に私たち国民が乗っかってきたことも事実だ。

共謀罪法案などもちろんトンデモないわけだが、内田氏の記事を読んで私が思うに、戦後の「成功体験」の延長線上、つまり「大量消費型経済の無限の成長」という洗脳を一人ひとりが解いていくことからしか、物事は始まらないのではないか。

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